メルケルが女性だから誤魔化されているのかもしれないが、
EUは欧州諸国の平等な連合ではない。
EUはドイツ帝国と見た方が正確だ。
ヨーロッパを統一しようというドイツの野心は第一次大戦、
第二次大戦を通じてもはやDNAレベルに達しており、
EUという建て前の理念と、ユーロという共通通貨によって、
ついに3度目の野望で、ドイツ帝国の完成目前になっている
のだ。
この度のイギリスの決断は、日本が中華帝国に飲み込まれる
寸前で離脱したようなものだ。
フランスはもはやドイツの属国化しているが、イギリスは
統一通貨もシュンゲン協定も拒否して、一定の距離感を保って
いたために、離脱することができた。
若者は経験が浅いから、日本における戦後サヨクのような
もので、もはやイギリスの歴史のタテ軸を忘れた骨抜き状態だ。
ドイツの属国になれば、奴隷の平和が保てるが、独立すれば、
厳しい現実にしばらく耐えねばならない。
それが恐いのだ。
残留派は近視眼的に見れば不安だけが増幅して、ドイツ帝国の
属国のままがいいとダダをこねるだろうが、長期的に見れば、
いずれ来るEU崩壊のときに盤石な主権国家として屹立して
いることになる。
これからスコットランドの独立運動という難関が待っているが、
はたしてこれを抑え込む政治力を発揮できるか?
スコットランドだってEUへの残留はドイツ帝国の属国化であり、
真の独立にはならない。
ドイツから見れば周縁国だから搾取されるだけだろう。
しかしドイツは大したものである。
日本と同じ第二次大戦の敗戦国だが、核も持たずに、脱原発
までしながら、アメリカの軍事力を利用しつつ、アメリカと
対峙する帝国を目指している。
国民性は日本人と似ているのに、確実に違うのは奴隷にまでは
堕ちていないところだ。
日本はたった一度の絶望で骨抜きだが、ドイツは二度の絶望でも
立ち上がる。
日本はドイツからもイギリスからも学ばなければならないこと
ばかりである。
フランスには美食の文化と、少子化対策を学ぶべきだ。
そして『民主主義という病い』についても。